スライドの最適な縦横比について(16:9 vs 4:3 どちらがいいのか問題)
PowerPoint(パワポ)のスライド作成において、縦横比には主に「16:9」と「4:3」の2つが利用される。しかし、このどちらが「正しい縦横比なのか」をちゃんと考えたことはあるだろうか?
今回の記事では、資料作成のプロフェッショナルであるTimewitchのコンサルタントが、このような「スライドの縦横比」について考察していく。
現在のPowerPointのデフォルトは「16:9」
あなたの手元でPowerPointを開いてみてほしい。
新規スライドを作成すると、そこには縦横比が「16:9」のスライドが表示される。
かつて、PowerPointのスライドは「4:3」がデフォルトの設定だったが、PowerPoint 2013以降は「16:9」がデフォルトに変わっている。
なぜ16:9のスライドがデフォルトになったのか
1. PCのディスプレイのサイズが「16:9」に近づいたから
スライドに「16:9」と「4:3」という2つの主な規格が存在するのは、かつては「4:3」のように縦長だったディスプレイサイズが、今やワイドモニターの普及によって「16:9」に近づいている、つまり、横に伸びていることに起因する。
例えば、Apple社のMacBookは「16:10」で、iMacは「16:9」を採用している。Windows搭載PCの代表格であるDellのノートパソコンもすべて「16:9」なのだ。
ディスプレイサイズが横に伸びているのにスライドが縦に長いままだと、画面に表示したときに余白が大きくなってしまう。画面上の余白が大きいということは、作業スペースが狭いということである。
これが「16:9」への移行の大きなきっかけになっている。
2.テレビもYouTubeも、見慣れた縦横比は「16:9」だから
我々が目にするテレビの映像にも、縦横比が存在する。そして、この縦横比は時代によって変わっている。
かつてのアナログテレビ時代は「4:3」が主流だったが、現在の地デジ放送では「16:9」に規格が変わっている。ちなみに、YouTubeの動画の縦横比も「16:9」。つまり、我々が最も日常的に目にする映像の縦横比は「16:9」なのである。
人間の視覚や感覚は、見慣れたものやよく触れるものに好意的な印象を持ちやすい*。現代人は「16:9」を直感的に好みやすいといえる。
3. 横に長いほうが、ぱっと見のインパクトが強いから
現代映画の縦横比は、実は「16:9」よりもさらに横に長い「1.85:1」(ビスタ)や「2.35:1」(シネマスコープ)と呼ばれる規格が一般的になっている。
これは、横に長い映像のほうが人間の実際の視野により近く、また、無意識的に迫力を感じるからである。
PowerPointの資料はプレゼンテーションの場で活用されることが多い。そのときに、論理的な「説明」よりも、感情や感覚に訴えかける「説得」や「感動」に重きを置く場合、有利なのは横に長い「16:9」なのだ。
人間の視野が上下よりも左右に広いことは、以下の記事でも解説している。
それでも、「4:3」が残り続けている理由
そういうわけで「16:9」が主流になった現代において、しかし、「4:3」のスライドを見かける機会もあるだろう。
この章では、なぜ「4:3」が使われ続けているのかを解説する。
1. 過去の資料との共通性・互換性が高い
先にも述べたとおり、過去のスライドは「4:3」が主流だった。
そのため、歴史の長い会社やプロジェクトほど、「過去の資料と同じフォーマットのほうが便利だから」ということで、「4:3」が採用されることがある。
特に「4:3」の時代に活躍したビジネスマンほど、この規格に愛着も慣れもあり、「16:9」への移行に抵抗を感じることも多い。
2. より印刷に適したサイズ感である
スライドを印刷するとき、「16:9」は横に長すぎるために大きな余白が生じてしまう。
そのため、印刷することを前提に資料を作成する場合には、「4:3」や「A4サイズ」など、印刷に適したサイズが選ばれることがある。
3. 文字サイズを大きくしやすい
「16:9」の場合、縦幅が狭いので文字サイズを大きくしようとすると縦幅に余裕がなくなってしまう。
特に文字サイズに変化をつけて強調したい箇所がある場合や、スクリーン投影を前提として文字サイズを大きくしたい場合には、「4:3」が活躍するシーンもあるだろう。
いずれにしても、いい資料をデザインするのは難しい
というわけで、「16:9」が主流だといっても盲目的にそれを使えばいいわけではない。目的やシーンに応じて、適切なサイズやレイアウトを検討すべきである。
このように、一口に「資料作成」といっても、そのデザインは奥が深く、難しい探求しがいのあるテーマだ。
Timewitch(タイムウィッチ)は、ボストンコンサルティンググループ出身の起業家が立ち上げた資料作成代行サービスである。
このような奥深いスライドデザインの世界で日々、実践と研究を重ね、これまで10万枚以上のスライドを作成してきた。見やすくわかりやすく、何よりも伝わりやすいスライド作成のノウハウを蓄積している。
この記事を作成したTimewitchについて
Timewitchの強みは、圧倒的なスピード。なんと、依頼から最速4時間、最遅24時間でPowerPointスライド資料を納品する。
スピードの秘密は、時差を利用した制作システム。世界中に点在する100名以上の海外在住日本人が、各国のコアタイムに働くことで、いつ依頼が来ても必ず誰かが対応できるチームを構築している。
Timewitchでは資料作成の依頼を、24時間365日(*年末年始を除く)受け付けている。
事前の打ち合わせは不要で、専用フォームへの入力だけで依頼が完了するのも喜びのお声が多い。時間を有効活用したいビジネスパーソンにぴったりのサービスである。
「朝9時に出勤したら、昨日依頼したパワポ資料がもう納品されている」
そんな感動体験を、ぜひあなたにも味わってほしい。