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スライドのアウトソーシングで思考を客観視 |松橋 正明 (株式会社セブン銀行)

お話いただいた人
松橋 正明 様(株式会社セブン銀行 代表取締役社長)
西坂 有矢 様(コーポレート・トランスフォーメーション部 CX推進グループ
                     副調査役)

株式会社セブン銀行様 プロフィール

事業概要: 国内におけるATMプラットフォーム事業・決済口座事業 、海外事業
従業員規模:300人~1000人(社外への出向者を除き、社外からの出向者を含む。役員、執行役員、派遣スタッフ、パート社員を除く)
(以降、記事内では株式会社セブン銀行様を「セブン銀行様」と表記します。)

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左から松橋様・西坂様(セブン銀行様)、岡田(Timewitch)


セブン銀行様内で松橋様が現在注力されている事業内容についてお教えいただけますか?

松橋様)
国内においては、基幹事業であるATMプラットフォーム事業と決済口座事業を行っています。
また、海外事業では米国、インドネシア、フィリピンでATMサービスの展開に取り組んでおります。

現在は、会社として「第二創業」と位置づけている段階です。
主軸となっているATMプラットフォーム事業は、アンケートを通じてお客さまから寄せられたニーズをベースに、セブン-イレブンにATMを設置するというところから始まりました。
この「あったらいいな」というニーズに応えていくことを会社の存在意義である「パーパス」として再度定義し、新たなサービス開発に挑戦しています。

その動きの中で、様々な変革が必要になるため、コーポレート・トランスフォーメション部(以下記事内では「CX部」と表記します。)を設置しました。CX部では、新しいものを生み出せる様に、チャレンジできるカルチャーの醸成や、基幹事業のデータ基盤の構築、さらには働き方改革に伴うコーポレートシステムの刷新など、様々な変革に挑戦している最中です。

スライド3

(Timewitch)セブン銀行様CX部の事業内容を1枚に表現しました!


弊社サービスのご利用開始時、どの様な活用方法を期待されていましたか?

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松橋様)
CX部の取り組みにおいて、経営メンバーへの説明資料やリレーションづくりの集まりで使用するプレゼン資料など、社内資料作成の機会が多かったので、そこでの活用を想定していました。

夜に入稿すると翌朝にはスライドが納品されるので、資料作成にかかる時間が短縮できそうだと当初から考えていました。

そもそも部署として働き方の変革も実現したかったので、新しいサービスを取り入れることでカルチャーの変化につなげたいという思いもありました。

スライド1


スライド作成のアウトソーシングによる”成果”を実感したエピソードを伺えますか?

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松橋様)
自身の変化としては、資料作成の時間が圧倒的に削減できたことが挙げられます。
テキストのスライド化が可能なので、隙間時間に作成したテキストを入稿してスライドを作成することもできます。そのため、スライド作成を、場所を選ばずに進められるようになりました。
更に、隙間時間にスマホでメモした内容をスライド化するという型ができたことで、「考える」ことと「資料作成の作業」を明確に区別することが実現できました。業務プロセスそのものが変革しつつあります。

また、口頭説明をせずに資料入稿することでスライドが納品されるので、自分が伝えたい事を客観視することができます。
時に自分のイメージと異なる資料が納品されることがありますが、それも含め、相手への伝わり方に対する理解を深めたり、自身が持っていたバイアスを排除することに繫がっていると実感しています。

西坂様)
最近は、Timewitchへの入稿(ホワイトボードを写メで送りスライド化)を意識して、ホワイトボートに考えをまとめることが増えたので、図解化の意識がつきました。業務の進め方だけでなく、考え方にも変化が生まれたのは予想外の効果ですね。

スライド3

松橋様)
社内の変化としては、テキストベースで入稿した内容が構造化されるため、オーディエンスの理解度やプレゼンに対する評価が上がりました。

更に、構造化されたスライドを見る機会が増えたためか、他の資料も自然とレベルアップしています。文字だけのスライドが減り、ビジュアル化されたスライドが増えた様に思います。

西坂様)
例えば、最近周囲の人から「熱くなったね」と言われるようになりました。これまで自身で作成するスライドは文字が多く、相手に読ませるものがほとんどでしたが、Timewitchを利用してからは図解メインで文字が少ない直観的なスライドになりました。このことにより、ミーティングで共有する際に口頭説明が増え、熱弁するイメージが周囲に伝わっている様なのです。

CX部は社内の意識改革も進めていくので、時には熱量高く説明する必要があります。「熱くなった」という周囲の評価は一つの成果だと考えています。

西坂さん



これまで数々のスライドを見ていらっしゃると思いますが、「よいスライドの条件」を教えていただけますか?


松橋様)
下記のような条件を満たしていると、よいスライドだと感じます。

1.背景情報や判断に不要な情報は排除されており、シンプルで論点が明確であること
2.説明の流れや関係性が図示化されており、関係性を言葉で補足不要なデザインになっていること
3.人間工学を配慮し、左上から右下に目線が流れるレイアウト
4.長い文章でなく、箇条書き、単語表記で即座に理解できるもの

スライド2

シンプルで適度な余白があり、個人的には折り返しが発生する文章も作らないようにしています。
「読む」のではなく、「見る」だけでわかるスライドが理想的ですね。

原点は、ATM画面を設計する時に得たノウハウです。
ATMの画面には、操作する人が迷わないように人間工学に基づき様々な工夫がされています。そのポイントをスライドづくりにも落とし込んでいます。

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大企業の経営層の方の視点から見て、社員の方がやる業務と、アウトソーシングサービスを利用する業務はどの様に「使い分け」すべきだと思われますか?

松橋さん

松橋様)
使い分けという意味では、切り出せるものはどんどん切り出していくという考え方が基本です。
ガバナンスの観点から他社に任せられない業務はもちろんありますが、例えば事務を専門的に担う子会社を設置するなど、生産性を向上するための取り組みは進めています。

VUCA*の時代、変化に対応するため「考える」時間と「具現化する」スピードが最も大事になります。

頻繁に情報発信するためにも、資料作成の時間短縮は必須ですのでTimewitchのサービスは非常に有効です。

ただ、Timewitchの場合は、業務の一部を外に出すというだけでなく、働き方を変える「BPO」サービスとしての側面を意識して利用しています。
アウトソーシングはアウトプットの予想ができますが、Timewitchのスライドには、予想していなかった新たな価値が付与されることを期待しています。

仕事のやり方を改革し続けることは大事なので、常に新しいサービスにアンテナを立てていくこともしてきたいです。


(Timewitch)インタビューの内容を1枚にまとめさせていただきました

*VUCA(ブーカ)…:将来を予測するのが困難な状態。V=Volatility(変動性)、U=Uncertainty(不確実性)、C=Complexity(複雑性)、A=Ambiguity(曖昧性)の頭文字。

編集後記

大企業の経営層の方の視点から見た「よい資料の条件」「アウトソーシングの活用方法」についてのお考えを伺うことができ、貴重な機会でした。

「スライド作成をアウトソースすることによって、内容が他者にどのように伝わるのかを理解したり、話者のバイアスの排除することができる」というお話から、この部分にこそアウトソーシングの意義があるように感じられました。

スライド作成のアウトソーシングを通じて一度他者の目を通すことにより、自らの「思考の質」を高めることができ、より生産性が高くスピード感のあるアクションにつながるのですね。

外部に委託できるものは積極的に切り出していき、その過程を通じて自らの業務プロセスや考え方を変革していくスタイルは、まさに変化の激しい時代に求められるビジネスの進め方であると感じました。

株式会社セブン銀行様

Timewitchのサービス

この記事の執筆・編集者

佐々木バナー





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