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パワポの歴史: 先史時代より伝承される人類とスライドの物語

パワポの歴史、それは昔々、先史時代に遡る壁画から始まった伝説の物語である…


現代のビジネスシーンにおいて、パワポ(PowerPoint)に代表されるデジタルスライドは、重要事項の情報伝達ツールとして欠かせないものとなっている。

今回の記事では、先史時代まで歴史を遡って、各時代でどのようなプレゼンテーションツールすなわち「スライド」が使われてきたのか、憶測も交えながら紹介する。


先史時代(紀元前3000年以前)の洞窟壁画

紀元前3000年以前、文字を持たない時代に描かれた洞窟の暗闇を彩る色とりどりの壁画。これが最古の情報伝達手段の一つであり、最初の「スライド」だった。

これらは、単なるアートというより、狩猟技術や社会の重要な情報を視覚的に伝えるためのツールだった。

2018年2月22日に科学誌サイエンスに掲載された研究結果 (Hoffmann et al., 2018) によると、世界最古(少なくとも6万4800年前)とされているスペインの洞窟壁画は、ネアンデルタール人が描いた可能性があるという。

あのネアンデルタール人も、壁画を前に狩猟のコツを伝えるべく仲間たちにプレゼンテーションをしていたのかもしれない。

こっちの狩り方のがイケるぜよ

古代エジプト(紀元前3000年頃~紀元前30年)のパピルスや壁画

古代エジプトでは、パピルスと呼ばれる紙の原型に、ヒエログリフという象形文字で情報を記録していた。ピラミッドの設計や建設方法を示すために、パピルスに記された図面や文書が使用されたと考えられる。


また古代エジプトの壁画は、神話や王族の日常、重要な儀式、農業のサイクルなど、多くの情報や物語を伝えるための手段として用いられていた。

これらは教訓や歴史的出来事を記録し、後世に伝えるためのものであったと考えられている。

 

と、歴史の表向きはそれっぽい立派な理由があるが、
本当のところは当時の王はただ暇を持て余して、気まぐれに家来に意味のない壁画を描かせていただけなのかもしれない。

現代の上司が無意味なスライドを部下に大量生産させているように…


中世アジアの巻物(11世紀後半から16世紀)

アジアの文化圏では、情報や物語、詩を伝えるために絹や紙の巻物が利用された。これらが「中世のスライド」と言え、美しい絵には様々なストーリーが込められていた。

日本ではこの時代(鎌倉時代~室町時代)に絵巻物が流行し、貴族や武士階級だけでなく、庶民に向けた作品も増えた。

この時代に文字を読めた庶民は少なかったことから、視覚的に理解しやすい絵巻物スライドが流行ったのも頷ける。

蒙古襲来絵詞


日本の戦国時代(15世紀末から16世紀末)の合戦図

戦乱が頻発した時代、戦の計画や戦術を伝えるために、合戦図や作戦図が使われていた。

これは敵や自軍の配置、地形、攻める方向などを示すもので、戦の前や戦中に武将たちが戦術を語り合う際に基となる、重要な「スライド」である。

目まぐるしく変わる戦況において、作戦図を描かされていた家来は、寝る間もなくいわゆる資料作成に追われていたに違いない。

いつの時代も、ボスの思い付きに振り回される部下の姿は想像に難くない。

長篠合戦図


ルネサンス期 (14世紀から16世紀) の図解

ルネサンス期には、科学や医学の進歩に伴い、詳細な図解が盛んに使用されるようになった。図解の黄金時代である。

図解のおかげで、難解な概念も視覚的に説明され、多くの人々にとって理解しやすくなった。

情報量が多くもわかりやすい「スライド」の誕生である。


近代の投影機

20世紀初頭、映写機や透明スライドを用いた投影機が登場。これにより、大勢の人々の前で情報を視覚的に伝達することが可能となった。

暗闇に映し出される最先端のビジュアルには、誰もがワクワクしたに違いない。

ちなみに著者の学部生時代(2000年卒)のプレゼンテーションツールは、オーバーヘッドプロジェクター (OHP) からパワポに代表されるプレゼンテーションソフトへの過度期。

PCを繋げるプロジェクターを持っていない研究室では、パワポで作ったスライドページを透明のOHPシートに印刷して、OHPを使って発表していた。

懐かしのOHP


著者の少し上の世代では、プレゼンテーションにはフィルムを使ったスライド映写機が利用されていた。

パワポで順送りにする表示方法をスライドショーと呼ぶが、これはスライド映写機が得意とした静止画の連続表示になぞらえた呼び方である。

準備するのにひと苦労だったに違いない元祖スライド


現代のデジタルプレゼンテーション

21世紀に入ると、パワポやKeynoteといったデジタルプレゼンテーションツールが普及。ビジュアル的にさらに美しく、より効果的な情報伝達が可能になった。

そして今、スライド生成AIの時代が到来

テキストもビジュアルも、ある程度のものはAIがいい具合にささっと作ってくれる。便利なものはどんどん活用して、業務効率化を図っていきたい。


スライド生成AI時代の到来に遅れず、Timewitchでも資料生成AI「Alice」のサービスを開始しているのでぜひ試してみてほしい。


まとめ

歴史を振り返ると、「スライド」はいつの時代も、多くの人に対して効率的かつ効果的な情報伝達手段として活用されてきた。

過去記事に書いたように、スライドは言葉だけでなく画像や図解などの視覚情報を含むことで、内容を理解されやすく記憶に残りやすいという利点があるためである。

そしてAIの登場によって、スライドの世界も進化し続けている。

これからも基本的なコミュニケーションは言葉を使いつつも、解釈が定まりやすい利点を持つスライドコミュニケーションの割合が、飛躍的に増えていくのかもしれない。


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